長く住み続けるために LIVE CONTINUATION

湿気の多い日本で家を長持ちさせるための考え方

日本の住まいは、欧米に比べて寿命が短いと言われています。

出典:「滅失住宅の平均築後年数」国土交通省調べ
日本:住宅・土地統計調査(1998年、2003年)
アメリカ:American Housing Survey(2001年、2005年)
イギリス:Housing and Construction Statistics(1996年、2001年)

日本の住まいが長持ちしない一番の原因は、住まいの「中途半端な性能」です。

法隆寺が1,000年以上も健在な理由とは?

日本では、一般的な住まいが平均30年しか持たない一方で、法隆寺は1,000年以上の歴史を誇っています。なぜ、数百年の歴史を持つ法隆寺がここまで長持ちしているのでしょうか?もちろん手入れをしっかり行っているからというのもありますが、もっとも大きな理由は「結露を予防しているため」だと考えられます。

結露は、内壁などが外気の影響で冷やされ、内部の温かい空気との温度差によって水滴が発生する現象です。

現代日本ではどうするべきか?

いくら法隆寺が1,000年も持っているからと言って、今の時代に住まいを法隆寺のようにしたいと考える人は少数派でしょう。では、日本の住まいを長持ちさせるにはどうすればいいかと言うと、逆に「高気密・高断熱+しっかりした計画換気」を徹底すればいいのです。

高気密・高断熱な住まいにすることで、建物の内部は外気の影響を受けにくくなります。つまり内壁などが冷やされることもなく、したがって結露も発生しにくくなるというわけです。

ただし人が生活しているとどうしても水を使い、室内の湿度は高まるため、高気密・高断熱なだけでは不十分です。室内の湿度をうまく逃がしながら温度を快適に保てるよう、「計画換気の機能」を持たせる必要があります。このように徹底した結露対策を行えば、住まいを100年持たせることも夢ではありません。

デザインの耐久性について

LAMYのペンやポルシェなどのデザインは、古くからほとんど形が変わりません。たとえばポルシェ911は誕生から50年、基本的なフォルムやコンセプトは変わらず、50年間で生産された車両の70%以上が現存し、かつ実用されています。

では、一般の住宅はどうでしょうか? 南欧風、カントリー風といったテイスト、応接間などの間取り、化粧サイディング、新建材……「かつての流行」を反映したデザインは、今となっては古ぼけた、価値の低いデザインになってしまっています。

 

その一方で、変わらない価値を持ち続けている住宅もあります。例えば建築家・安藤忠雄の「住吉の長屋」は、40年近く前の建物でありながら、生まれたばかりの建築だと言っても通用するほどの魅力を持っています。将来にわたって美しくあり続けるデザインとは、「本物の素材」と「シンプルな機能美」を追求したものなのではないでしょうか?


住宅=資産
 

そう考えたとき、いつまでも「資産価値」のある住まいにするためにはどうすべきか。+designはそこを真剣に考え、「物理的な耐久性」だけでなく「デザインの耐久性」まで考慮して、お子さん、お孫さんの代にも引き継いでいける「長持ちする住まい」をつくるよう心がけています。

トラブルは早期発見・早期補修が基本!

住まいを長持ちさせるには、掃除などの日常的な手入れはもちろん、「補修工事」も欠かせません。補修を行う周期は使っている素材や塗料などによって異なりますが、10年おきが目安です。それ以上長く放っておくと大規模な工事が必要になり、大きな出費となってしまう可能性が高くなります。

10年間で100万円程度は必要と考えましょう。

メンテナンスでは定期的な費用が発生しますが、劣化が進んでからリフォーム・建て直しを行うよりもトータルで見れば安上がりで す。1年間に10万円ほどは補修用にお金を積み立て、「10年間で100万円を補修に使う」と考えて点検・補修を行っていけば、住まいを長持ちさせること ができるでしょう。

たとえば、ちょっとした隙間からシロアリが入らないようにする15万円の防蟻工事をしなかったばかりに、シロアリ被害で500万円の補修費用がかかったというケースもあるそうです。

早めに対策していくことが、結局は節約にもつながります。また、潮風によって外壁が劣化しやすい地域など、その土地の特性に合わせてメンテナンスしていくことも重要です。

飛び込み営業に注意!

「近所で工事していたのですが早く終わりまして、材料も余ったので格安で工事しますよ!」
「多少屋根が傷んでいるみたいですが、今ならほんの数千円で補修できますよ!」

こんなふうに訪問営業をかけてくる業者には気をつけてください。粗悪な手抜き工事をされたり、ひどい場合には工事のついでに家にキズをつけ、「大きな補修箇所が見つかった」と大規模な工事の営業をかけてくることまであります。「シロアリ点検します」と言いながら、逆にシロアリを放つ業者までいるのです。メンテナンスは必ず信頼できる業者に頼みましょう。